特待寮にいた、ある記憶喪失の幽霊のお話。
泣いても泣いてもほっぺは濡れない
何もしないトイレの静けさ
ひどいことはされない
怖がりのあの子も笑う
傷ごと消えた
絆創膏をはがす指
知らん振りの山彦
操れない右手
目の錯覚と見つめあう
わんともにゃんとも言わないの
埃が積もる目の淵
かたかたかた
間違いのないよう
額にひんやり
おいでおいで
触れ合うには君に肉が必要で
あとがき
お題は
インスタントカフェ
様よりお借りしました。